雲崗第18窟 比丘尼像
北魏(紀元386~556年)

インド佛教美術の影響を受けた、雲崗石窟で一番エキゾチックな魅力のある第18窟の比丘尼像である。砂岩を刻んで佛像の原型を作り、その上に漆喰を塗り固めて乾燥させた後、佛像を彫り出す手法をとっていると思われる。童女の面影を有する比丘尼像の、1500年以上の風雪に耐えて微笑むその温顔は、中国佛教美術の最高の到達点とされる山東半島の青州佛に通ずる優しさと典雅さに満ちている。

Photo & Text by 吉村 信(福井市)