三彩女立俑 唐(紀元618~907年)

柳眉、小口に「豊肌秀骨」と表現される下ぶくれの顔面とやや肥満気味の体型を備えた唐代美人が、前髪を束ねて前方に垂らす流行の髪型をして、物憂げな表情で斜め前方をみる陶俑である。
表情にやや陰りをみるのは、盛唐を過ぎて晩唐に向かう、唐王朝の衰退を示すものと考えるのは、穿ち過ぎであろうか?

Photo & Text by 吉村 信(福井市)