鴞尊(きょうそん)
商(殷)(前16世紀~前1023年)

中国でも賢者の象徴とされる梟(ふくろう)の形をした液体容器である。全体としては一羽のみみずく(梟)であるが、局部を見ると、前胸部には饕餮文(想像上の獣面)、三星堆の青銅仮面を思わせる巨眼の人面、翼はとぐろを巻いた蛇、尾は眼鏡蛇様と、見る者を飽きさせぬ面白い造型である。ジュゼッペ・アルチンボルドの合せ絵が思い出される。

Photo & Text by 吉村 信(福井市)