佛頭像 北斉(550~577年)

中国佛教美術の頂点を極めた東魏を簒奪(さんだつ)し、鄴を都に定めた北斉は、わずか27年で宇文覚が西魏から禅譲を受けて建国された北周に吸収される。しかし、東魏佛教美術の残光を残す北斉佛には、東魏の精神性と滅びの美学が渾然一体となった静謐で不思議な魅力を有するものが多い。

Photo & Text by 吉村 信(福井市)