三彩雄鶏
唐(618~907年)

冥器として、墓の主を慰めるために作製されたものであろうが、胸と鶏冠をきっと立てた様は、鳥ながらも主を守ろうとする気概があふれており好もしい。足の粗雑な作りは、納期を急かされたのか、わざと鶏の素朴さを強調するためなのか、いろいろ想像が掻き立てられる楽しい作品である。

Photo & Text by 吉村 信(福井市)